陶器の使い始めに水に浸すのはなぜ?
汚れ・においを防ぐ、陶器のお手入れ方法
陶器の器を買ったとき、「使う前に水に浸してください」と書かれていることがあります。
でも、初めて陶器を使う方にとっては、
「なぜ水に浸すの?」
「どのくらい浸せばいいの?」
「米のとぎ汁で煮た方がいいの?」
と迷うことも多いのではないでしょうか。
陶器は、土から作られた器です。
磁器に比べると少し吸水性があり、使い始めのお手入れによって、汚れやにおいの染み込みを防ぎやすくなります。
今回は、陶器の器を長くきれいに使うために、使い始めに水に浸す理由と、日々のお手入れ方法をご紹介します。
陶器には吸水性があります
陶器は、土を主な原料として作られた焼き物です。
つるりとした磁器に比べると、土の風合いやあたたかみがあり、手に取ったときにやわらかな印象があります。
その一方で、陶器には吸水性があります。
焼きあがったばかりの陶器はからからに乾ききっている状態だと思ってください。
そんな乾いた状態のまま、カレー、コーヒー、トマトソース、しょうゆなど、色やにおいの強いものを入れるとどうでしょうか?
あっという間に器に汚れやにおいが入り込みこんでしまうことがよくあります。
そこで、使い始める前に器を水に浸しておきます。
先に器へ水分を含ませることで、料理の色や油分、においが染み込みにくくなります。
使い始めは24時間ほど水に浸すのがおすすめ
新しい陶器の器は、使い始める前に水に浸して、しっかり濡らしておくのがおすすめです。
目安は、1日、約24時間ほどです。
器全体が水に浸かるように、ボウルや桶、シンクなどに水を張って入れてください。
大きなお皿など、全体が入りきらない場合は、途中で向きを変えながら、できるだけ全体に水が触れるようにすると良いです。
水に浸したあとは、軽く洗って、よく乾かしてからお使いください。
米のとぎ汁や重湯で煮る必要はありません
陶器のお手入れでは、「米のとぎ汁で煮る」「重湯で目止めをする」という方法を聞いたことがあるかもしれません。
ただし、わかさま陶芸の器では、重湯で煮るなどの処理はおすすめしていません。
粉引きの器などは色が変わってしまう恐れがあるためです。
釉薬の色や土の表情を大切にした器は、余計な処理をしすぎない方がよい場合があります。
まずはシンプルに、水に浸すだけで十分です。
2回目以降も、使う前に軽く水にくぐらせる
最初に水に浸した後も、毎回使う前に軽く水にくぐらせると、よりきれいに使いやすくなります。
毎回24時間浸す必要はありません。
料理を盛る前に、器をさっと水に通すだけで大丈夫です。
特に、色の濃い料理や油分のある料理を盛るときは、このひと手間がおすすめです。
たとえば、
カレー
ミートソース
トマト煮込み
コーヒー
しょうゆを使った煮物
油分の多い料理
こうした料理を盛る前に水にくぐらせると、汚れが入りにくくなります。
貫入のある器にも水通しは大切です
陶器の表面に、細かなひび模様のようなものが見えることがあります。
これは「貫入」と呼ばれるもので、破損ではありません。
貫入は、陶器ならではの表情のひとつです。
使い込むほどに少しずつ味わいが深まることもあります。
ただし、色の濃い液体が貫入に入り込むと、汚れが目立ちやすくなることがあります。
そのため、貫入のある器も、使う前に軽く水にくぐらせると安心です。
使った後は早めに洗い、しっかり乾かす
陶器を長くきれいに使うためには、使った後のお手入れも大切です。
色やにおいの強いものを、長時間入れたままにしないでください。
使用後はなるべく早めに洗い、しっかり乾かしてから収納します。
乾燥が不十分なまま食器棚にしまうと、カビ、変色、においの原因になることがあります。
特に、器の裏側や高台部分は水分が残りやすい場所です。
洗った後はすぐに重ねず、風通しのよい場所でよく乾かしてください。
電子レンジ・家庭用食洗機を使うときの注意点
わかさま陶芸の器は、電子レンジ・家庭用食洗機をご使用いただけます。
ただし、陶器は急な温度変化や強い衝撃が苦手です。
電子レンジを使う場合は、長時間の加熱や空焚きは避けてください。
また、加熱後すぐに冷たい水につけるなど、急な温度変化はひびや割れの原因になることがあります。
家庭用食洗機を使う場合は、器同士がぶつからないように、間隔をあけて入れるのがおすすめです。
水圧や乾燥時の熱、器同士の接触によって、欠けや傷が生じる場合があります。
大切な器をより長く楽しみたい場合は、やわらかいスポンジで手洗いし、しっかり乾かしてから収納していただくと安心です。
裏技!特に汚れが浸透しやすい器には、オリーブオイルで目止めする方法も
陶器の中でも、特に水分や油分が染み込みやすい器があります。
わかさま陶芸の器で言うと、シャビーターコイズのシリーズや黒マット釉のかかっているシリーズなどの場合です。
土の質感が強いもの、表面にざらつきのあるもの、貫入が多く入っているものなどは、使い始めにひと手間かけることで、汚れやにおいが入りにくくなる場合があります。
基本のお手入れは、使い始める前に器を水に浸すことです。わかさま陶芸でも、器の使い始めには1日、約24時間ほど水に浸してよく濡らすことをおすすめしています。
そのうえで、特に浸透しやすい器には、少量のオリーブオイルを使って目止めする方法もあります。
やり方は、よく乾いた器に少量のオリーブオイルを薄く塗り、やわらかい布で全体になじませます。
その後、余分な油をしっかり拭き取り、しばらく置いてからお使いください。
ただし、オリーブオイルは時間が経つと酸化し、においやべたつきの原因になることがあります。
また、器の色合いが少し変わる場合もあります。
そのため、すべての陶器に必要なお手入れではありません。
まずは目立たない部分で試してから行うと安心です。
陶器の器は、少しの手間で長く楽しめます
陶器の器は、少しだけ気をかけることで、長くきれいに使うことができます。
使い始める前に水に浸す。
使う前に軽く水にくぐらせる。
使った後は早めに洗う。
しっかり乾かしてから収納する。
この小さなひと手間が、器を長く楽しむための大切な習慣になります。
陶器は、使うほどに暮らしになじみ、少しずつ愛着が深まる器です。
手仕事ならではの表情や、土のあたたかみを感じながら、毎日の食卓で楽しんでいただけたら嬉しく思います。
わかさま陶芸の器を、毎日の食卓へ
わかさま陶芸では、益子の土と手仕事から生まれる、暮らしになじむ陶器の器を制作しています。
毎日のごはんに使いやすい器。
朝のコーヒーに手に取りたくなるマグカップ。
スープやシチューに使いやすいカップ。
料理をやさしく引き立てるお皿。
陶器の器を長く楽しみたい方は、ぜひわかさま陶芸の器をご覧ください。
使うほどに愛着が深まる、手仕事の器を食卓へ。

