手造り陶器を長く使うために|陶芸家が勧める使い始めと日々のお手入れ方法
わかさま陶の若林健吾です。
陶器の器は、毎日の食卓にあたたかみを添えてくれる暮らしの道具です。
手に取ったときのやわらかな質感、釉薬の表情、ひとつひとつ少しずつ違うかたち。工業製品にはない、手仕事ならではの魅力があります。
一方で、陶器は磁器に比べて少し吸水性があり、使い始めや日々のお手入れに少しだけ気をつけることで、より長くきれいにお使いいただけます。
今回は、陶芸家がお勧めする、陶器の器を長く愛用するための「使い始めの準備」と「毎日のお手入れ方法」についてご紹介します。
わかさま陶芸では器を求めいただいた方には以下のような陶器の使い方のしおりを同梱させていただいております。
これを基にしながら陶器の使い方とお手入れの仕方について述べてみたいと思います。

陶器の器には吸水性があります
器には大きく分けて、磁器と陶器があります。
わかさま陶芸の器は、すべて陶器製です。
陶器は土の風合いを感じられる一方で、磁器に比べると吸水性があります。そのため、使い始めに下処理をしておくことで、料理の色や油分、においが染み込みにくくなります。
特に、カレー、コーヒー、しょうゆ、トマトソースなど、色やにおいの強いものを入れる器は、最初のお手入れが大切です。
陶器の使い始めは「水に浸す」のがおすすめ
陶器の器を初めて使う前には、器全体を水に浸して、しっかり水分を含ませてください。
目安は、1日、約24時間程度です。
器がしっかり水を含むことで、料理の汚れが器の中に入り込みにくくなり、きれいな状態を保ちやすくなります。
昔は「米のとぎ汁で煮る」「重湯で煮る」といった方法も知られていますが、わかさま陶芸の器ではおすすめしておりません。器の色が変わる恐れがあるためです。
使い始めは、難しいことをせず、まずは水にゆっくり浸す。
これだけで、陶器の器を長くきれいに使いやすくなります。
2回目以降も、使う前に軽く水にくぐらせる
陶器の器は、使うたびに少し水にくぐらせてから料理を盛ると、汚れが入りにくくなります。
たとえば、煮物やカレー、色の濃いおかずを盛る前に、さっと水を通してから使う。
ほんのひと手間ですが、器をきれいに保つためにはとても効果的です。
特に貫入のある器や、土の風合いを感じる器は、使う前に水を含ませることで、色移りやにおい移りを防ぎやすくなります。
貫入は割れではなく、陶器の表情です

陶器の表面に、細かなひび模様のようなものが見えることがあります。
これは「貫入」と呼ばれるもので、破損ではありません。
貫入は、陶器ならではの表情のひとつです。釉薬と土の収縮の違いによって生まれるもので、器の景色として楽しまれています。
使い込むうちに、少しずつ表情が深まっていくのも陶器の魅力です。
ただし、色の濃いものを長時間入れたままにすると、貫入に色が入りやすくなることがあります。気になる場合は、使用前に水にくぐらせ、使用後は早めに洗うのがおすすめです。
使った後は、早めに洗ってしっかり乾かす
陶器の器を長く使うために、日々のお手入れで一番大切なのは、使った後にすぐ洗い、しっかり乾燥させることです。
色やにおいの強い料理を長時間入れたままにしておくと、シミやにおい移りの原因になることがあります。
洗った後は、すぐに食器棚へしまわず、風通しのよい場所でよく乾かしてください。
乾燥が不十分なまま収納すると、カビや変色、においの原因になることがあります。
特に高台の裏側や、器の重なった部分は水分が残りやすい場所です。
しっかり乾いたことを確認してから収納すると安心です。

急冷・急加熱には注意しましょう
陶器は、急な温度変化が苦手です。
熱い器を急に冷たい水につけたり、冷えた器に熱いものを急に入れたりすると、割れやひびの原因になることがあります。
日常使いの中では、極端な使い方を避けるだけで十分です。
熱々の料理を入れるときは、器が冷えすぎていないか少し気をつける。洗うときは急に冷水をかけすぎない。そんな小さな心がけで、器は長持ちしやすくなります。
電子レンジ・家庭用食洗機について

わかさま陶芸の器は、日常使いしやすいように作られており、電子レンジ・家庭用食洗機をご使用いただけます。
ただし、陶器は急な温度変化や強い衝撃が苦手な素材です。より長くきれいにお使いいただくために、以下の点にご注意ください。
電子レンジをご使用の際は、長時間の加熱や空焚きは避けてください。冷えた器を急に高温にしたり、加熱後すぐに冷たい水につけたりすると、ひびや割れの原因になることがあります。
家庭用食洗機をご使用の際は、器同士がぶつからないように間隔をあけて入れてください。
水圧や乾燥時の熱、器同士の接触によって、欠けや傷が生じる場合があります。
大切な器をより長く楽しみたい場合は、やわらかいスポンジで手洗いし、しっかり乾かしてから収納していただくと安心です。
手作りの器には、一つひとつ個体差があります
手仕事で作られた陶器は、ひとつひとつ表情が違います。
同じシリーズの器でも、釉薬の色合い、かたち、重さ、ゆがみ、高台のわずかながたつきなどに個体差が出ることがあります。
それは不良ではなく、手作りの器ならではの味わいです。
均一なものにはない、少しずつ違う表情。
使うほどに愛着が深まっていくところも、陶器の楽しさです。
陶器の器は、少しの手間で長く楽しめます
陶器のお手入れというと、少し難しく感じるかもしれません。
けれど、基本はとてもシンプルです。
使い始めは水に浸す。
使う前にさっと水にくぐらせる。
使った後は早めに洗う。
そして、しっかり乾かす。
この少しの手間で、陶器の器は毎日の食卓に長く寄り添ってくれます。
わかさま陶芸では、益子の土と手仕事から生まれる、暮らしになじむ陶器の器を制作しています。
毎日のごはんに使いやすい器、贈り物に選びたくなる器、使うほどに愛着が深まる器。
手仕事のぬくもりを感じる器をお探しの方は、ぜひわかさま陶芸の器をご覧ください。
わかさま陶芸の器で、毎日の食卓にやさしいぬくもりを。


